Raspberry Piをサーバーとして使う その1

中古PCの報告

さて、前回まで中古PCを使ったサーバー構築を行った。KVMを使った仮想環境構築までお見せしたと思うが、自宅の所用で電源を落とし、立ち上げなおそうとしたら電源が入らなくなった。ACアダプタから異音がすることから、原因は電源周りと判断しているが、いまさらACアダプタを調達してもなぁ、ということで、不本意ではあるがこのシリーズを終了とする。中古PCにはこういう問題があるので、やってみる際にはご注意いただきたい。性能を抑えれば、新品のPCパーツをそろえた方が安く安全に仕上がるかもしれない。

Raspberry Piの出番

しかしながら、サーバー構築はやりたい。ということで、Raspberry Piをもう1枚購入し、使うことにした。目的としては
・(できれば)Gitサーバーとしてリポジトリ管理をさせる
・(できれば)netcommonsを入れる
・(できれば)netcommonsを活用し、インフォメーションボードとして使う
としてみる。さて、できるだろうか・・・

Raspberry Piの初期設定

今回は最新版のRaspberry Pi3を使う。無線LANとBluetoothが標準搭載されたもので、4コアCPUと1GBRAMを持つ。USBポートも4つある。MicroSDカードをストレージにして、キーボードとマウスをつければ、立派なコンピュータである。すべてそろえても10000円しないというから、驚きである。自分がPCに手を出し始めた1990年代後半から比べたら・・・いや、やめておく。

さて、Raspberry PiのOSはRaspbianを選択する。Raspberry Pi向けに作られたDebianで、NOOBSを使ったインストールが普通である。今回はイメージファイルを書き込んで作る。理由は単純で「Raspbianをインストールすることが確定している」からである。

Raspbianのイメージファイルは、Raspberry PiのWebサイトにある。
Download Raspbian for Raspberry Pi
ダウンロードしたら、イメージファイルをMicroSDに書き込み、Raspberry Piに差して電源を入れる。その際、有線LANケーブルも差す。

操作はリモートで行うが、ログイン先のIPアドレスが不明であろう。Xfinderというツールがあり、ネットワーク上のRaspberry Piを探索してくれるので利用する。有線LAN接続であれば、設定されたIPアドレスがわかる。初めから無線LAN接続にしたい場合は、HDMI付きのディスプレイにつなぎ、キーボードとマウスを使って設定する。
Xfinderの利用方法

初回ログインできたら、まずはアップデートを行う。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get -y upgrade  #-yオプションは「分岐にY回答する(少し違うかも)」

そのあと、ユーザーアカウントを設定する。設定の理由も単純に「セキュリティ面の強化」なのだが、初期アカウントとパスワードが公開されてしまっているから、おろそかにできない。しかも初期アカウントはsudo権限も持つので、なおさらである。

$ sudo adduser [適当なユーザーアカウント]  #useraddだと/homeにディレクトリが作られない様子
                                       #また、パスワードの設定も同時に行われる
$ sudo visudo  #sudo権限の付与を行う
 pi ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL  #ユーザーごと削除するので、この行は不要(行ごと削除)
 [ユーザーアカウント] ALL=(ALL) NOPASSWD:ALL  #先ほど追加したアカウントにsudo権限を付与する(追記)
$ sudo shutdown -r now  #作ったアカウントでログインするため
$ sudo deluser pi  #初期アカウントを削除する userdelではユーザーアカウントだけ削除される模様

あとは固定IPアドレスの設定なのだが・・・Raspberry Pi3には無線LANが標準装備されている。これを活かさない手はないので、設定する・・・長くなってきたので次回に持ち越す。

次回は、無線LAN接続とIPアドレスの固定化を行う。無線LANの設定は、ネットワーク設定ともども、LPICレベル2 201試験の範疇なので、学んでおくといいと思っている。